副業解禁ブームが訪れたのは、2018年頃からです。
以前から、副収入を得る書籍や通信教育なども昔から多くありましたが、
なぜ、2018年が副業元年と呼ばれるのでしょうか。
厚生労働省の「モデル就業規則」にある副業・兼務の文言が変わったからです。
大きな変化だと思います。
厚生労働省のモデル就業規則の変化
2018年(平成30年)1月から下記のように変わっています。
注目部分を下線太字にしました。
第14章 副業・兼業
(副業・兼業) 第68条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。 2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該 業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は 制限することができる。 ① 労務提供上の支障がある場合 ② 企業秘密が漏洩する場合 ③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合 ④ 競業により、企業の利益を害する場合
以前(2018年以前)は、副業や兼業に関わる記載として下記のようになっていました。
(遵守事項) 第11条 労働者は、以下の事項を守らなければならない。 ① 許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用しないこと。 ② 職務に関連して自己の利益を図り、又は他より不当に金品を借用し、若しくは贈与を受ける等不正な行 為を行わないこと。 ③ 勤務中は職務に専念し、正当な理由なく勤務場所を離れないこと。 ④ 会社の名誉や信用を損なう行為をしないこと。 ⑤ 在職中及び退職後においても、業務上知り得た会社、取引先等の機密を漏洩しないこと。 ⑥ 許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。 ⑦ 酒気を帯びて就業しないこと。 ⑧ その他労働者としてふさわしくない行為をしないこと。
⑥の部分です。それ以外は当然というか、「③業務への専念」「④企業の名誉リスク」「⑤機密の漏洩」などを起こさないためにも「⑥副業禁止」をしていた感じでしょうか。
そもそもなぜ以前は副業を禁止していたのでしょうか。
そして、急に副業OKを推奨するようになったのでしょうか。
なぜ?企業は副業を禁止するのか
皆さんの会社は副業OKですか?
副業OKしている会社といえば、どのような会社を思い浮かべるでしょか。
私のイメージは、「ソフトバンクグループ」「メルカリ」「DeNA」「ミクシー」「Zホールディングス」「サイボウズ」など、ITに強い会社でしょか。
まさに、優秀なIT人材の獲得は重要な課題なので「社員尊重」「自由度が高い会社」といったイメージをアップするためだと思っていました。
でも、他にもいろいろな会社が副業OKを表明していて「JAL」「ANA」「みずほ」「日産」「花王」「ロート製薬」「第一生命」「大日本印刷」「サッポロビール」など、様々な業界に広まっています。
なぜ? 今までは副業を禁止し、今頃解禁したのか。
私の考えですが、企業にとってその方がメリットが高くなっただけのように思います。
今まで、副業NGだった理由
今まで、企業が副業を禁止していた理由を副業をOKした場合のデメリットとして、コメント付きで整理してみたいと思います。
副業OKの企業デメリット | コメント |
本業への集中。生産性のダウン | ありますね。でも、趣味に没頭する人も同じなので、程度の問題で仕方ないですよね。 本業の生産性は、評価されるので、これは節度を持ってやればというかとやかく言われたくない。趣味だよ!と。 |
情報流出リスク | あるあるですが、副業にかかわらず情報漏洩はダメですから、これも程度の問題です。 このブログは大丈夫なの?という話ですが、程度の問題です。 社員を信頼できないのか!と。 |
会社の名誉や信用リスク | これもですね。以前のモデル就業規則の第11条・遵守事項にもあるように、それは当然でしょ、という話。酒飲んで暴れても、副業でもやってもダメなので、酒を飲んじゃダメ、副業をしちゃダメという話ではないです。 |
社員の過重労働、健康管理のリスク | でた! そんなに守ってくれていましたっけというやつです。あなたの健康が心配だからって、会社のリスクをすり替えているだけでしょ。そんなにいうなら休みくれ! |
人材流出のリスク | 正直なところが出てきました。そうなんです。皆成長してくれ!というのですが、でも、会社を見限らないくらいにね。というところなのだと思います。 |
以上でしょうか。
どれも社会人として、常識があれば問題がないデメリットのように思えます。
もっと言ってしまうと、流出リスクくらいでしょうか。
社員の能力は上がって欲しいけど、もっと有利な会社や仕事に逃げられてしまったらたまらない。自分たちが育てているところもあるのだから、、というところでしょうか。
言い換えると、給与で縛って働かせているのですから、自分で稼いで成功してしまったら、言うことを聞かなくなってしまうし、縛れなくなってしまうというところでしょうか。
「儲かった分だけ収益山分け」といった皆が共同経営者みたいな会社があればいいのですが、そうではないのですから仕方がないです。
ではなんで副業OKになった?
なんだかんだ言っても、前述した国の「モデル就業規則」が変わったというのが一番大きい気がします。
では、なんで国は転換した? 経営者や金持ちを優遇していれば、それなりに国は潤っていたけれど、だんだん立ち行かなくなってきたと言えるのではないでしょか。
収入格差があまりにも広がり、助けなくてはいけない人が増えた。
金を持った人は税金の安い国へ移る。
社会インフラの老朽化、社会保証の崩壊・・・
人手不足も深刻だし、税収もアップしない、老後も真っ暗で自分たちで対策してもらわないとあかん。。。
よし、副業推進だ!となったんだと思います(勝手な憶測 )。
一方で、会社間でも格差は広がっています。
一人勝ちの大企業。しかし、社員の生産性はぐんぐん落ちている。
時流に乗った特定分野は「勝ち組」だが、売り手市場の人材不足に悩む。
使えない上層部がお荷物になり、社内間でも格差が広がる。
若い人たちががんばっているのに、経営判断の部分でもう手詰まりだよ。若い人たちの給与を上げて上げたいのに、会社全体の利益は上がってないし、そもそもこんなんだから仕事のやりがいが下がっている。あかん。。。
よし、副業推進だ!となったんだと思います(勝手な憶測 )。
副業OKを謳う企業の方に副業事情を聞いてみました!
副業が許可された企業でも、実際に副業ができるかどうかは別の話です。残業が多く、時間に追われる毎日ならば、副業の余裕などはできません。また、上司がいい顔をしないなど環境的に難しいと言う話もあるかもしれません。
私の知り合いで、御社副業OKって言ってますよね、と言う有名企業に勤めている方が何人かいるので、聞いてみました!
そう言う会社に働いている人ほど、副業!って感じより、趣味の時間が欲しいですと言う人の方が多い感覚だったので、ズバリ聞いてみました!
○○さんの会社って、副業を容認しているけど ぶっちゃけどうなの?
3人の方にお聞きしました。
結果から言うと、あれ?すっごく副業容認していると思っていたけど、それほどではないのね、という内容でした。
皆さん一様に、一部の方ですよと。
現在、採用をするときは、他の仕事をしていることを容認して(副業容認で)、採用をすることがあるそうです。
そして、一部と言うのは、副業申請をすれば副業ができると言うことのようです。
んー、申請か。。
で、申請通るの?と聞くと、その人の成長や会社のためになるなら出しやすいけど、と言うことでした。
なるほど「Uber eats」をやりたいんですけど、とは出しづらいと言うわけね。確かに。
1人の方は、やっているけど会社に申請出していないとのこと。
なるほど、そう言うことか。
実質は、まだまだ副業を諸手を挙げて容認とはいかないようでした。
(うちの会社は違う、と言うのがあれば教えてください。)
会社に副業申請を通すには! 副業の企業側のメリット!
申請を通して、副業ができるのであれば出したいものです。
実際、社員が副業をするとデメリットだけではなく、どんなメリットがあるのでしょうか。一気に上げていきたいと思います!
■副業容認の会社のメリット
一番は、社員の成長だと思います。
・新しいスキルを獲得できる。
・人脈が広がる。
・本業のスキルを新たに活かせる。
・収入を得る力がつく。
次は、社員のやる気が上がることではないでしょか。
・チャレンジ精神
・やりたい仕事ができる
・1つの会社に縛られない安心感
・転職や起業の準備ができる
こんな感じでしょうか。
やっぱり「社員の成長」と「社員のやる気」に尽きます。
でも、これって自分のためで会社のためじゃない!
「社員の幸せが会社の幸せだよ」と言われたときのように微妙な気持ちになります。
やっぱり副業って会社のためじゃないですよね。自分のためです。
他にも「会社のイメージアップ」「自由度の高い会社」「風通しがいい会社」と思われるなどもあるかもです。
あざと。。。この程度だった副業禁止している方がわかります。。
でも、国が推奨と言ったら、うちは絶対禁止!とも言えないのが現状でしょう。
上記に挙げたようなメリットを自分のためと思われ過ぎないように、うまくプレゼンして、ぜひ副業の道を勝ち取ってください!
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